トレーニング Univ.

最新のトレーニング科学を、身近に。

身体のエネルギー源「アデノシン三リン酸(ATP)」が筋肉を動かす仕組み

スポンサーリンク


スポンサーリンク


f:id:tatsuki_11_13:20180812101347p:plain

 

ATPとは

ATPとは「アデノシン三リン酸」というヌクレオチドで、以下の3つの部分から構成されています。
  • アデノシン
  • 糖(リボース)
  • リン酸基×3
 
 
また、下の図のように「アデノシンーリボースー3リン酸基」というように結合しています。

 
 
 

ATPが加水分解するとエネルギーが得られる

ATPの「P」の部分であるリン酸基は、3つのリン酸が脱水縮合によって結合することで構成されています。
 
この3つのリン酸同士間の結合は「高エネルギーリン酸結合」と呼ばれ、
加水分解することでH3PO4(Pi:無機リン酸)に分解され、その時に高エネルギーを生み出します。
 
この反応を「発エルゴン反応」と言い、
このエネルギーがミオシンによって利用されることによって筋肉は活動することができます。
 
こういう経緯から、ATPは身体の運動には無くてはならない物質であり、「生体のエネルギー通貨」と呼ばれます。
 
 
ちなみに。
ATP以外にも、G (グアニン)、U (ウラシル)、C (シトシン)を塩基とする、GTP、UTP、CTPも存在します。
これらも、体内の反応に寄与しています。
 
 

ATPの加水分解

繰り返しになりますが、ATPの「P」の部分、リン酸の結合は「加水分解」によって分解されます。
 
「加水分解」とは文字の通り、H2Oを分解に利用する反応で、
ATPの場合は以下のような反応によってADP(アデノシン二リン酸)無機リン酸(Pi)に分解されます。

 
また、ADPにもリン酸基がまだ2つ残っており、その間の高エネルギーリン酸結合がまだ1つあるので、AMP (アデノシン一リン酸)無機リン酸(Pi)に分解されます。

 
 
注意するポイントしては、ATP→ADP、ADP→AMPに分解したことで出来る、無機リン酸(Pi)がエネルギーになるという訳ではないということです。
 
身体の活動は、ATP、ADPのリン酸基の結合が外れる時に出るエネルギーを利用しているため、無機リン酸自体は体内にそのまま蓄積していきます。
 
ATPがADP,AMPと分解されるのに対して、ATPを作り直す必要があります。
その際には、下のように逆向きの反応が起き、
クレアチンリン酸炭水化物などのエネルギーを利用することで無機リン酸が再度結合し直されます。

 
つまり、エネルギーを供給して「ADP→ATPの再合成」をいかに行えるかが持続的な運動には求められます。
 
 

ATPの加水分解を促す「ATPアーゼ」

続いて、ATP→ADPの加水分解「ATPアーゼ」という酵素の触媒効果によって活性化されます。
 
ATPアーゼはエネルギー関係の全ての反応に関係していると考えられており、
エネルギーを利用して筋肉を収縮する過程で、様々な部位における、異なった作用に対するATPの利用に必要になる。
 
そんなATPアーゼにはいくつかの種類があります。
その中のいくつかを紹介していきます。
 
 
ちなみに。
ATPアーゼは、ATP以外のヌクレオチド三リン酸(GTP, UTP, CTP)に主に作用すると現在考えられており、骨格筋でのATPの加水分解は他の影響因子によって活性化されると考えられている。
 
 

ミオシンATPアーゼ

ミオシンATPアーゼは、ミオシンフィラメントに存在するATPアーゼです。
ミオシンヘッドがアクチンフィラメントを引くことを促進し、実際に筋肉の収縮を行うことに作用します。
 
 

カルシウムATPアーゼ

カルシウムATPアーゼは「カルシウムポンプによるCa2+の能動輸送」を促す作用があります。
 
カルシウムポンプは筋小胞体に特に多く分布します。
Ca2+は筋小胞体の中に多く存在し、アクチンフィラメントに向かって放出されることで筋収縮は起きます。
 
それに対して、Ca2+を筋小胞体内に取り込むことで筋弛緩を行なっており、
その筋弛緩を促進させるのが筋小胞体のカルシウムポンプであり、カルシウムATPアーゼは、そのカルシウムポンプを活性化させることで筋弛緩を促進します。
 
 

ナトリウムーカリウムATPアーゼ

ナトリウムーカリウムATPアーゼは「ナトリウムーカリウムポンプによる電位勾配の調整」に作用します。
 
細胞内は安静時、若干マイナスに電位(静止電位)しています。
ナトリウムチャネル・カリウムチャネルは、ともに電位依存性チャネルで、筋に刺激によって開閉します。
  • ナトリウムチャネルは電気刺激によって開いてNa+を細胞内に入れ
  • カリウムチャネルは電気刺激によって閉じてK+を細胞内に閉じ込めます
これにより、細胞内の電位をあげて脱分極を起こします。
 
その後、電気刺激が止まると、
  • ナトリウムチャネルは閉じてNa+の細胞内への流入は止まり
  • カリウムチャネルは開きK+が細胞外に流出します
これによって、細胞内の電位が下がり再分極を起こします。
 
ですが、本来はNa+が細胞外に多く、K+は細胞内に多くなければいけないため、
Na+とK+の勾配を元に戻すために、ナトリウムーカリウムポンプで能動輸送を行います。
 
この、「ナトリウムーカリウムポンプのNa+とK+のバランスを保つ作用」をナトリウムーカリウムATPアーゼは調整しています。
Copyright©️2018 トレーニングUniv. All rights reserved.